研究会研究会

サークルの闇鍋による、研究会の研究会です

名大の隠しコマンドを教えちゃいます─名大ふしぎ口伝局─

隠しコマンド前日譚

 

今日は大学でハイキング!

桜も満開です🌸

 

空は快晴!

春のポカポカ陽気にすっかり浮かれちゃいます✨✨

 

この道は農学部方面の長く緩い坂です。

ずっと坂です


結構のぼったので、のどが渇いてきました……。

 

あっ!

そんなことよりも、立派な建物が見えてきました!

農学部の施設でしょうか?

かっこいいです!

 

こんな建物もあったんだ!

とってもおしゃれです✨✨

C-TEFs

ん?

何かの気配を感じる

 

この看板、何かありそうです!

それも渇いたのどを潤してくれそうな何かが!!!

 

後ろを覗いてみましょう!

 

 

…………。

 


あっ!!!

YDK8WRBPNP

 

なんだこれ!!!!!

 


謎の文字列の正体

 

ということで、今回は名大の隠しコマンドをお教えしよう。

実は「YDK8WRBPNP」とは、名大の自動販売機で使えるコマンドなのだ。

このコマンドを使うと、ある飲み物が無料で手に入るらしい。

 

最初の二文字”YD”は、コマンドに対応している自販機の場所を示している。

「山手(Y)通り(D)」。つまり、東山キャンパスを真っ二つに突っ切るあの道。

名大構内の中でも、あの道に近い自販機でなら使えるということだ。

 

実際に使ってみる。

コマンド対応自販機

 

”YD”以降の”K8WRBPNP”を自販機に入力する。

入力するためには、それぞれの文字に対応したボタンを押せばいい。

 

一番左上からABC……とアルファベットが対応して、Zより後は123……と数字が対応する。

つまりこういうこと。

わかりやすい

 

早速押していこう。

K

8

W

R

B

P

N

P

 

入力し終わったら、最後におつりのレバーを引こう。

Enterキーみたいな感じ


ガコンッ

 

入力成功!

 

飲み物が出てきた。

コマンドはちゃんと機能しているようだ。

 

取り出してみよう。

この飲み物は一体……?

これは……


名大水だ!

 

名大水とは、購買で売っている名古屋大学の名を冠した水。

他の水が物価上昇のあおりを受ける中、定価100円(税抜)を守っているため相対的に安くなっている。

 

飲んでみよう。

ごくごく

おいしい。

具体的にはいろはすと同じくらいで、クリスタルガイザーよりもおいしい。

 

こんなにおいしい水が、まさか無料で手に入るなんて。

けっこうすごいコマンドだ。

 

皆さんもぜひ試してみてほしい。

 


まだまだあるぞ隠しコマンド

 

ちなみに、他にも隠しコマンドらしき文字列が見つかっている。

見つかった場所はここ。

学生支援棟

 

……の、看板の足。

T6BXX2JKAU

 

こちらはまだ未解明で、どこで使えるのか、何が起こるのかは全く分かっていない。

 

同じように名大水が出てくるのかもしれないし、他の飲み物が出てくるのかもしれない。

それとも坂が全部平らに歩きやすくなったり、工事が一瞬で終わったりするのかも……?

 

夢が広がりますね!

君も解読してみよう!

 

この記事はエイプリルフールのためのうその記事です。

判明……!ふりゃあ生誕の地─ふりゃあ調査隊─

ふりゃあ調査隊、結成

 

突然だが、あなたはふりゃあをご存じだろうか。

 

 

 

次回第65回では、マスコットという大役を担い続けてもう6回目。

それまでキャラクターが回ごとに変わっていたことを考えると、名大祭の歴史はふりゃあ以前、ふりゃあ以後に分かれるとさえ言える。

 

他の学祭のマスコットキャラクターと比べても秀逸なデザインが際立っていて、キャラクターとしての実力は高い。

 

しかし、ふりゃあに関するコンテンツのほとんどはTwitterInstagram・公式HPに限られていて、情報が少なかったり、断片的な情報しかなかったり。

ふりゃあについて多くのことが謎のままとなっている。

 

そこで我々名大研究会では、いまや名大の一大コンテンツとなったふりゃあについて、より深く追求するための組織「ふりゃあ調査隊」を結成。

 

調査隊はふりゃあを何重にも覆うヴェール、その内側にある真実へたどり着かんとすべく、日夜彼(?)の動向を観察・考察している。

 

そして早速だが先日、ふりゃあに関する大きな謎を一つ紐解くことに成功した。

みんなはまだ気づいてないかもしれない。

でも、パンドラの箱……もう、開いちゃってんだよね。

 


「ふりゃあはどこで生まれた?」

 

今回暴いた謎、その発端は公式プロフィールを見ている時だった。

meidaisai.com

 

名大祭公式HPにはふりゃあについて説明するページがあり、その中にこのようなプロフィールがある。

ぶんるい: えびふらいふりゃあぞく
たんじょうび: 5がつ1日ついたち
: 青色あおいろLEDのようなきれいなあお
かみがた: ねぐせでわるらしい
しゅみ: えびふらいをあげること
出身地しゅっしんち: だい7グリーンベルト

ツッコみ所しかないプロフィールがある意味マスコットキャラクターらしい。

 

皆さんは

「えびふらい科ふりゃあ属って何www」

「青色LEDの主張強www」

などと思いながら、つい笑ってしまったかもしれない。

 

かくいう私もその一人。「ぶんるい」や「目」の項目に気をとられて、このプロフィールの明らかにおかしな部分を一切の疑いもなく受け入れていた。

 

 

最後、この項目。

第7グリーンベルトという場所は存在しないはずだ。

しかし、グリーンベルト自体は存在する。

 

 

上からみるとこんな感じ。

*1

 

このように、グリーンベルトは三つしかないはずなのだ。

だから「第7グリーンベルト」はそれにかけた冗談のようなもので、ない場所のことを言っている。

 

でも、もしグリーンベルトに続きがあるとするなら……。

「第7グリーンベルト」が本当に存在するなら……。

 

いったい、どこをそう呼んでいるのだろうか。

 

 

まだ気づいてないの?

 

ヤバいでしょ。

 


ふりゃあ生誕の地の正体

 

第7グリーンベルトとはどこなのか。

その手掛かりは、グリーンベルトがそう呼ばれる所以にある。

つまり、ベルトと言うように直線状になるはず。

 

グリーンベルトの直線、その続きを地図でたどっていく……

やがてその直線は皆さんもよく知るあのランドマークにたどり着いた。

 

*2

 

 

そう、名古屋城

これこそがふりゃあの生まれた場所なのではないか。

 

 

”7グリ”と名古屋城を結びつける、数々の符合

 

しかし、これではまだ、直線がたまたま意味ありげな点の上に来たというだけの話。

突飛な妄想にすぎない。

 

そのはずだった。

ふりゃあ調査隊独自の情報捜索により、これが偶然から真実へ昇華されるまでは。

 

なぜ第7グリーンベルトが名古屋城なのか。

我々が気づくことのできた符合の数々を皆さんにお教えしたい。

 

その一. グリーンベルトのコンセプト

 

そもそも「グリーンベルトの直線をのばす」という発想自体はごく自然なものだ。

というのもおよそ80年前──グリーンベルトが設計された当時──からこの直線は意識されていたという可能性が、とある文書によって示されているのだ。

 

その文書とは、「名古屋大学キャンパスマスタープラン」。

東山キャンパス、鶴舞キャンパス、大幸キャンパスの運用計画を名大が公式に策定している文書だ。

 

名古屋大学キャンパスマスタープラン2016」の中に、このような記述がある。

実は、現在の豊田講堂から伸びる緑豊かなグリーンベルトの軸線を延長すると、遠く名古屋城に突き当たります。史実としての記録は残っていませんが、先人たちが描いたプランの視線の先には、名古屋城天守閣があったことでしょう。

 

グリーンベルトの本当の終着点は名古屋城

 

これはもう、名古屋大学に秘められた真のテーマなんだよね。

 

その二. ふりゃあと名古屋城、二つに共通するエッセンス

 

ふりゃあは名古屋城と同じ、ある特徴を持っている。

 

まずはやはり、頭に二つ並んだエビフライ。

 

 

これは言うまでもなく、名古屋城の「金のしゃちほこ」とよく一致している。

 

見た目だけではない。もしこれだけの主張なら、それは間違いなくこじつけ。

むやみに関係ない二つを結び付けて話してはいけない。

 

ふりゃあのエビフライとしゃちほこは、もっと深い部分で必然性によって繋がっている。

 

名古屋城にとって、金のしゃちほこ尾張徳川家の権力を誇示する重要なシンボルだった。

「天下様でも敵わぬものは 金の鯱ほこ あまざらし」と尾張藩の名声を轟かし、今もなお名古屋を代表するものとして広く浸透している。

 

一方ふりゃあにとっても、頭のエビフライは大きな意味を持つ。

彼(?)はエビフライをまゆげと認識しているのだが、毎日揚げては付け替えている。

 

この異常なルーティンワークからわかるように、ふりゃあにとって頭のエビフライは名古屋城のしゃちほこ同様、アイデンティティの根幹に関わる部分なのだろう。

 

形のみならず、受け持つ意味の重要性まで同じ。

果たしてこの一致は偶然と言い切れるのだろうか。

 

これだけではない。

名古屋城と深く関わっていたこの男が、ふりゃあと重なる。

 



 

写真は彼が尾張藩藩主に就任して名古屋へ入府する様子を再現した像だが、注目すべきは被っている帽子。

べっこう製の唐人笠で、当時からしても一般的なものではない。

一方ふりゃあもねじり鉢巻きにエビフライで頭を飾っていて、その派手さやシルエットが宗春と重なっている。

 

ふりゃあと徳川宗春、間違いなく何らかの繋がりを持っている。

 

これは考察になるが、恐らくふりゃあは宗春をまねて今の姿になっているのではないだろうか。

仮にそうでなくとも、ふりゃあが宗春という存在を介して名古屋城に深いゆかりを持っていることは間違いない。

 

その三. 第7グリーンベルトはなぜ”第7”なのか

 

”第7”という数字はどこからとったのか。

その由来をたどることによっても、「7グリ=名城」は浮かび上がってくる。

 

例えば先ほど紹介した宗春。

実のところ彼は尾張徳川家第7代当主であり、尾張藩第7代藩主である。

 

ふりゃあと姿の重なる彼が他でもない”7”と縁深かったのは、かなり示唆に富んでいる。

 

さらに、名古屋大学名古屋城を結びつけるあの存在が、やはり”7”という数字を導いている。

 

*3

 

名大の一部となった第八高等学校。

その校舎が建っていた場所には、現在名市大の滝子キャンパスがある。

 

一見して名古屋城は全く関係ない。

 

また、ナンバリングは「第八」。やはり”7”とも関係が無いように思える。

 

しかし、我々は見逃さなかった。

こちらを見てほしい。

 

八高は設立当初、新校舎が完成するまでの期間は愛知一中の跡地を転用していた。

言うなれば、愛知一中は八高の前身。

 

そしてその場所は、他でもない中区丸の内。

名古屋城にほど近い場所、いや、地名からも分かるようにもはや名古屋城と言ってもよい場所にあった。

 

第八高等学校の前身……つまり第7が、名古屋城にあったということになるのだ。

 

ちなみに、名古屋大学は最も新しい旧帝大であり、9番目に設立された。

 

名大が9、八高が8、とすれば愛知一中もとい名古屋城は”7”。

この連番、さすがに必然性によって導かれていると言うほかない。

 


ふりゃあは名古屋城で生まれた

 

これだけの根拠を並べれば、皆さんにもお分かりになってもらえたことかと思う。

 

ふりゃあ……第7グリーンベルト……名古屋城……名古屋大学……ふりゃあ。

点と点が線で繋がり、真実の円環を浮かび上がらせた。

 

ふりゃあは名古屋城で生まれ、その場所を「第7グリーンベルト」と呼んでいる。

 

これを信じるか信じないかはあなた次第です。

でもふりゃあによる名大生の選別は、もう始まってるってこと。

 

さらなる深淵へ

 

この真実にたどり着いた我々ふりゃあ調査隊は、それをこの目で確かめようとフィールドワークの敢行を決定した。

 

そこで待っていたのは、より深い真実。より大きな陰謀……!

 

我々は一体、どんな深淵を覗いてしまったのか。どんな陰謀に気づいちゃってんのか。

それはまた別のお話……。

むかし東山にまだ2グリが​あったころ─名大研究会─​

名古屋大学東山キャンパスのグリーンベルト。

グリーンベルトとはキャンパスのメインストリートのようなもので、これを軸にキャンパスが作られている。

 

なかでも第2グリーンベルトは特に見どころが多い。

ややこしい写真しか用意できなかった。

 

この地図は間違っていて、「第二グリーンベルト」「第一グリーンベルト」と書いてある場所合わせて第2グリーンベルト。キャンパスの象徴とも言える場所だ。

 

しかし次回の名大祭では、第2グリーンベルトに使えない区画がある。

どうやら以前から噂されていた工事、東海国立大学機構プラットフォーム新営がはじまるらしい。

 

キャンパスの象徴が工事でなくなろうとしている。

 

もったいないので、せっかくだから記録もかねて紹介しよう。

 


図書館前の広場

 

まずは図書館前のここ。

池が二つある

 

生き物もそれなりにいる。

 

撮影してから数週間後、生き物のサークルの人たちが魚を捕っていた。

工事のために許可をもらって魚を移動させていたらしい。

だから、いま見に行っても魚はいない。

 

……と思っていたら、しれっと復活していた。無限湧きタイプの魚なのかも。

 

これも工事があるからなのか知らないけど、パイロンがいっぱい並んでいた。

どんな立ち入りを想定した配置なのか、よくわからない

 

それに立入だけじゃなくて、タバコも禁止されている。

ここはまだ「図書館周辺」らしい

 

「ちくわ公園」という愛称

 

そしてここは、なぜかちくわ公園と呼ばれている。

地味と見られがちな名大の中で、さん然とハジケるこの名前。

 

場所自体の歴史は1960年代まで遡るのだけれど、「ちくわ公園」という名前は2019年、公認の投票で軽率に決められた。

 

 

軽率すぎるけど、ちょうどいい名前だと思う。

この広場のつまらなさすぎず、面白すぎない具合がちょうどちくわっぽい。

 

実際にちくわが建ったこともある。

 

 

ちなみにちくわ公園は、他の場所と比べて一段下がった場所にある。

図書館側から見たちくわ公園

 

次に紹介する見どころは、この写真奥の階段を上がったところにある。

 


東山デルタ像

 

風景に溶け込めていない

やわらかい自然の中、突然現れる無機質な三角形。
異様な存在感を放つこの像は、いつからか「東山デルタ像」と呼ばれるようになった。

 

この像は「ちょっと名大史」で詳しく取り上げられている。

 

ちょっと名大史233. 第2グリーンベルトの「東山デルタ像」

像はピラミッドを示し、一方はそれが長い歳月をかけて崩壊し
た状況を表現していると説明されています。

 

とあるように、奥には崩壊してるっぽい三角形が並んでいる。

これも像の一部らしいけど、雑草まみれで分かりづらい

 

近くの石にタイトルが刻まれていた。

「坒‥」二点リーダが味わい深い

 

ちょっと名大史では「つち」と読む、と説明されている。

 

デルタ像は土属性の彫像なのだろうか。

モチーフのピラミッドも土属性代表のような建物だし。

 

もしかしたら、ほかに木・火・金・水の彫像も建てて五行をコンプリートする計画があったかもしれない。

水属性の彫像があるなら、きっとアンコールワットをモチーフにしていると思う。

 

さておき、タイトルの位置からして正しい向きはこっちらしい。

一個だけ置いてあるイスは、何個かあった内の生き残りらしい

 

神聖視される東山デルタ像

 

構内に類を見ない鋭いフォルムが人々を惹きつけるのか、この像は特別なものとして扱われることも少なくない。

シルエットが洋服の青山のロゴと似ていることから、Twitterでは「#洋服の青山を称える像」というハッシュタグで多くの人がデルタ像を訪れ、拝んだことを報告している。

 

このミーム洋服の青山の公式に補足されて、内輪ノリを超えた公の存在になっている。

 

といっても洋服の青山側で公なだけで、名大側ではあまりにもマイノリティだけど。

 

かくいう当名大研究会も以前、デルタ像を祀ったことがある

 

でも、さっきの「坒‥」の石がある方を正しい向きとするなら、こっちは”裏”ということになる。

我々はずっとデルタ像の背中を拝んできたのかもしれない。

 


アシンメトリー死に空間

 

デルタ像とちくわ公園の間に、こんな場所がある。

でかい植木と、それを囲んだ道

ちっちゃい植木と、それを囲む道

 

ここは、名古屋大学東山キャンパス屈指の”完全に死んでる場所”となっている。

植木を囲うようにして作られた道はどんな動線とも重ならず、ベンチのような休むための物も置いていない。

つまり、植木をじっくり見るため以外の使い方がまったくない場所だ。

 

植木の育ち具合が左右で違いすぎるのも気になる。

 

「左右非対称な」「死んでる場所」ということで、そのまま「アシンメトリー死に空間」とぼくが勝手に呼んでいる。

 

東山キャンパスにはこういうどうしようもない場所が結構ある。

そもそも第2グリーンベルト全体が、南北に横切る動線を妨げるようなつくりになっていて効率的ではない。

 

でも、こういったどうしようもなさはなんだか名古屋らしくて、憎めないところでもある。

 


古代アリーナ

 

デルタ像からもう少し豊田講堂の方へ歩けば、古代アリーナがある。

撮影したのは名大祭の数日前だった

 

東山キャンパスを語るなら、ここは外せない。キャンパスを象徴するような場所だ。

 

名大祭のときは写真のようなセットが組まれて、ステージになる。

 

ちなみにこの時の名大祭テーマは「華勝負!~ここに始まる大一番~」だった。

それなのに、セットには電源ボタンや不死鳥といった華とは関係ないモチーフ。

これは、さらに前回のテーマが「Rebooooot!! ~今、ここから~」だったことから、それ用に準備したものを使いまわしているからだと思われる。

 

ステージ側から見るとこんな感じ。

後日、名大祭実行委員の方が除草していた。お疲れ様です。

 

「古代アリーナ」という名前はたぶん、この椅子の並びの無骨さがコロッセオ的な風貌だから名づけられたのだと思う。

 

ステージの向こう側は、このようになっている。

すずしそう

 

さらに奥はこうなっている。

ラスダン前みたいな道

 

遠くに豊田講堂を望むことが出来て、愛学心を育むにはふさわしい場所となっている。

しかも、ステージのセットがないときは古代アリーナからも講堂を望むことができる。

 

まさしくキャンパスの象徴という場所なのだけれど、ここでもやっぱり動線が考えられていないという問題がある。

その理由がさらに奥の空間。

広い、のにそんな使われない

 

このだだっ広い空間。

ここはただ広くあるのみで、右側に見える通りと行き来するための通路などは全く用意されていない。

つまり、この通りから古代アリーナへ直線的に入ることはできず、わざわざ回り込む必要がある。

 

せっかくいい場所なのに、普段の大学生活ではわざわざ向かわない限り訪れることのない場所となっている。

でも、だからこそ古代アリーナはいつも閑散としていて、ゆったりとした時間が流れている。

現代の忙殺から逃れて、古代の時間を過ごす……「古代アリーナ」というネーミングにはそんな意味でさえ込められているのかもしれない。

 

また、その閑散っぷりを活かして「古代アリーナRTA」という競技も行われている。

www.youtube.com

 

古代アリーナを一周するまでの時間を競うタイムアタックで、おおよそ20秒台前半がオーソドックスなタイムらしい。

工事が始まるまでにsub20は達成されるのか!?要チェケラ!!

 


ちっちゃい見どころたち

 

さて、第2グリーンベルトの主な見どころはもう紹介し終わったけど、他にもこまごまとしたおもしろスポットがあるので紹介しよう。

 

自然と一体化したベンチ

グリーンベルト、そこは入るもの全てを緑に染める──

 

ベンチが自然となかよくしている。

人間が入る余地はあまりなさそうだから、そっとしてあげよう。

 

いや、工事で是非もなくバラバラになるのか。かなしい。

 

自然となかよしじゃないベンチもちゃんとある。

真ん中のイスをテーブル代わりにチェスが出来そうなベンチ

 

手狭な広場

何もしないには広すぎる。何かしようとすれば狭い。そんな広さ。

 

古代アリーナ脇にあるここ。

スポーツにはもちろん向いてないけど、マインドスポーツも外だからやらない方がいい。

 

この絶妙な広さのおかげで、歯がゆさを感じるため立つにはベストな場所になっている。

 

あれ?奥の方に何か落ちている。

マスク着用の徹底

 

絶対ここにあるべきでない物が落ちている。名大祭用のものだろうか。

 

気づいたはいいけど、正しい場所が分からないからこのままにしておいた。

やはりこの場所は歯がゆい。

 

ちなみに、スポーツをやりたい人はここがいいと思います。

第3グリーンベルト

 

グリーンとは名ばかりの運動場。第3グリーンベルト。

さっきの狭さを知っていると、とてもいい場所に見えてくる。

 

イスの抜け殻

不自然なくぼみに、白い跡が3つ

 

第2グリーンベルト外側の道にある、かつてのイスの存在をほのめかす場所。

 

イスが動かされたのは工事を見越してのことではないか、ともささやかれている。

 

そして、動かされた先がたぶんここ。

雑然と置かれている

四角いイスが密集していると、ナタデココみたい

 

座ってもらうつもりが全く無さそうな密度でイスが置いてある。

”置くために置いてある”という感じだ。

 


第2グリーンベルトはもう見納め

 

さて、これで第2グリーンベルトの見どころがよく分かってもらえたはず。

 

はじめに言ったように、工事が予定通り完遂されればここは姿を変えてしまう。

紹介してきたような名所がなくなってしまうのはとてもさみしいことだと思う。

 

でも、もし工事であの場所が見違えたら、東山キャンパスはより誇らしい場所になる。

そんな日を夢見て。そしてその時、むかしあった第2グリーンベルトがどんな場所だったか忘れないように。第2グリーンベルトのことを書いておいた。

 

まだ第2グリーンベルトが残っているなら、訪れたことがない人は一度行ってみてほしい。

とてももどかしい場所だから……。

メリー生協、そしてさよなら─​名大研究会─​

来年の一月から、生協がアプリを導入するらしい。

「アプリの登録しないとMeicaが使えなくなる」とおかしなことが書いてある紙

 

Meicaのチャージ方法とかの変更点に交じって、名大生協ではポイントの仕様も変わる。税抜10円につき0.1ポイントだったのが、税込200円につき1ポイントになるそうだ。

なんかごちゃごちゃ言ってるけど、つまりは名大生協のパワーが半分以下になるということだ。だから、これを機にお昼購入スポットをコンビニへ乗り換えたいと思う。

 

でも、いきなり生協を見捨てるのはちょっと無慈悲すぎる気がする。生協にはここ二年弱の恩があり、思い出がある。記事も書いたし。

nu0yaminabe.hatenablog.com

 

そこで、お別れ会を開くことにした。ちょうどクリスマスが近いから、クリスマスパーティーという形で開こう。

購買の商品だけでパーティーを開いて、生協と聖夜に捧げよう。

 


パーティーに必要なものを買おう

 

まず、クリスマスパーティーに何が必要なのかを書きだした。

  • 参加者
  • クリスマスツリー
  • クリスマスケーキ
  • チキン
  • プレゼント交換
  • サンタさん
  • 余興

ぼくの知っているクリスマスパーティー、地域のこども会のパーティーしかないけれど、こんな感じの催しだった気がする。

 

パーティーに必要なものは、北部購買で買っていこう。

ぼくが一番使った購買

 

名大で一番広くて、品ぞろえも一番いい購買だ。ここで言う品ぞろえとは、需要が本当にあるのか知らないものが棚にたくさん並んでいるということだ。

 

とりあえず予算を知りたいので、Meicaの残高がいくらなのか確認することにした。

最悪全部使い切る勢いで買ってしまおう。それがぼくにできる最大限のはなむけだ。

 

まずは同伴した山田の残高。

687円

 

そんなにないけど、付き合わせているぼくが基本支払うから多分大丈夫だろう。

つづいてぼくの残高。

5306円

 

思ったよりも残っていた。さすがにこんなには使いたくないから、やっぱり頑張って出費を抑えよう。

 

確認が終わったところで、カードを取り出そうとすると……

☻Thank you very much!

 

チャージ機が、語りかけてきた。

何回も使っているはずなのに初めて気が付いた。いや、これまで気が付かなかったのではなく、特別にしゃべってくれたのかもしれない。

 

Meicaのチャージ方法が変わって、このチャージ機は自身の役割を終える。

「いままで使ってくれて、ありがとう」

最期にそんなメッセージを伝えてくれたような気がした。

 

購買を散策しよう

気を取り直して、買い物をはじめる。

 

入口を通ると、いきなりクリスマスツリーが出迎えてくれた。

クリスマス偏差値が高い

 

しかもよく見たら、ちゃんとした飾りつけを手作りで用意している。

雪の結晶と知らないキャラクターの飾り

 

こういうのがパーティーにあれば、ぐっとクリスマスっぽさが出るに違いない。

どうにかしてツリーを用意したい。なんなら、このツリーを買い取りたい。

 

さらに、クリスマスコーナーもあった。

このクリスマス感を参考にしたい

 

らしい装飾の中に、ポストカードやお菓子が置いてある。

たしかにクリスマスカードもこのイベント特有のグッズだ。でも、これはパーティーでは使わないか。

そうしてぼくたちは、これをスルーしてしまった。今思えば、ツリーの描いてあるクリスマスカードを飾るのが一番無難な選択肢だった。

 

よくみたら、ちっちゃいツリーもある。

本当はこれを一番買いたいけど、売り物じゃない

 

サンタさんのコースターもあった。これは買っておこう。

撮り忘れたので別撮り


このコースターを並べれば、「参加者」「サンタ」両方の要素を同時に満たすことができるという寸法だ。

二人だけの寂しいパーティーがどれだけにぎやかしくなるかは、全てこのコースターにかかっている。

 

続けて購買を見て回ると、本当にいろんなものが置いてある。

 

食品や文房具はもちろん、

高いイスとか、

見るたびに座りたくなるけど、自重している

 

自転車のオイルとか、

自転車トラブルにやたら手厚すぎる棚

 

このように、ここにあるべきなのかよく分からないものがいっぱいある。

 

CDも置いてあった。

レジのすぐ近くなのに、初めて見つけた

 

クリスマスソングがあったら買おうかと思ったけど、再生機器がないから意味がないことに気が付いた。

音楽はYoutubeから流そう。生協の商品限定ルールを破ってしまうけど、これは仕方ない。時代に対応できてない生協が悪い。

 

そんなこんなでツリーやケーキなどとみなせそうなものを買っていったけど、購買にそれらしいものがなさすぎて時間がかかってしまった。

だんだん二人に「この時間を早く終わらせた方がいい」という共通認識が生まれる。

片方が「これをこうすればツリーみたいになる」と強引な持っていき方をしても、もう片方は買い物を長引かせたくないので、否定できない。何を言っても全肯定されるようになってしまった。

 

時間を人質にとられて、ぼくたちのクリスマスパーティーは歪になっていった。

 


パーティーの準備をしよう

 

買い物を終えて、適当な場所でクリスマスパーティーの準備をはじめた。

 

まずはクリスマスツリーを立てよう。

クリスマスツリーの材料

 

ツリーのために緑色で細長いものを探したら、お茶が当てはまった。それもおあつらえ向きなことに、モミの木のような深緑のお茶。

しかも、このお茶には黄色いシールが貼ってある。ハサミで星の形にしたこれをてっぺんに飾れば、クリスマスツリーっぽくなること間違いなし。

 

左のお菓子の袋は、飾りつけ目当てで買った。当初飾りは折り紙で作るつもりだったけど、意外にも折り紙は購買に置いてなかった。誰も買わなさそうなものはいっぱいあったのに。

 

これらをがんばって加工して、出来る限りツリーを表現しようとした。

 

……したのだけれども。

「赤いから」という理由でコカ・コーラのラベルを巻いてみた

 

がんばりはしたけど、生協の製品では限界があったのかもしれない。

山田から「お金のない子供の遊び」と言われてしまった。

とはいえ、もう後戻りはできない。ここまで来たからにはやるしかない。

 

次は、ケーキを用意しよう。

クリスマスケーキの材料

 

カヌレがケーキっぽかったから買ったけど、これだけでは寂しい。

そこで、ケーキに乗っていがちな食べられるサンタやトナカイを表現するために、たべっ子どうぶつビスケットやダルマのグミを買った。どちらも赤いので、イチゴらしさも兼ねられるはずだ。

 

ダルマは見た目がおじいさんだから採用したけど、新年っぽさもある。

「Merry Christmas and Happy New Year」とも言うし、新年要素はあった方がいいに違いない。

 

組み立てたらこうなった。

クリームが積もった雪みたい

 

ツリーよりはうまくいった気がする。ツリーのハードルが低すぎて、簡単に越えられるだけなのかもしれないけど。

 

山田の思いつきで、ポッキーのチョコが付いていない部分を刺してみた。

ロウソクや白樺のイメージで刺したけど、そうは見えない

 

なんだか湿地にある杭にしか見えないし、だとすると動物がトナカイではなく水牛にしか見えない。

そもそも、ツノがないのにトナカイと言い張るのはどうなんだ。

でもそれを言い始めたらキリがないから、あまり考えないことにした。

疑わずに飲み込んだ方が良いこともある。

 

チキンは生協でいつも売られているフライドチキンを買った。

ファミチキでいいなどと囁かれている商品

 

これは売ってくれていて本当に助かった。チキンだけは”みなし”でどうにかなる範疇を超えている。

 

ツリーとケーキが準備できたから、あとは他に購入したものと一緒に並べるだけだ。

並べるのには、これを使う。

紙皿と紙コップ

 

クリスマスに限らず、パーティーといえばこの二つは絶対に必要だと思う。

特に今回はクリスマスパーティーなのかどうかすら怪しい会になりそうだから、こういうものを使って少しでもまともに見せたい。

 

こうして、クリスマスパーティーの会場が形作られていった。

 


クリスマスパーティーを開こう

 

用意したものを並べて、Youtubeで「クリスマスソング」と検索して一番上に出てきた動画を再生した。

 

お別れ会兼クリスマスパーティーがついに始まる。

サンタさんが6人も集まってくれた

 

なんというか、すごく足りない感じがする。

そして、その足りない感じがどうしようもなく虚無感をかき立ててくる。

 

寂しい。

 

特に、クリスマスツリーが寂しい。

細長いシルエットだけでお茶を選んだけど、それは本当に大切ことじゃなかったんだと思う。

クリスマスツリーはでかくなくてはいけない。

大きな木の安心感こそがツリーの本質だったのだ。

 

でも、食べ物ってすごい。

とりあえず目の前にあるものを食べれば間が持つ。

 

もくもくと食べていたら、突然「楽天カードマァァァン!!!!!!」という声が響いた。

クリスマスソングの動画が広告に割り込まれたのだけれども、楽天カードマンの赤い色合いがクリスマスっぽくて一瞬気づかなかった。

 

気を取り直して食事を続ける。カヌレが想像以上においしい。

グミは、あらゆるグミを平均した味みたいな、可もなく不可もない味をしている。

 

そして肉。

今回のMVPは間違いなくこのフライドチキンだ。コーラとチキンが無ければこの会は持っていなかった。

もしクリスマスパーティーを開きたい人がいたら、最優先で用意することをおススメしたい。ツリーは最悪なくてもいい。

 

余興と、プレゼント交換をしよう

ひと通り食べ終わったので、余興に移ろうとした。

 

購買の棚を眺めながらかなり考えたけど、「即興で詠んだ川柳を板に筆ペンで書く」くらいしか思いつかなかった。

板。レジの方に「これ買う人いたんですね」みたいなことを言われた。

 

しかし、なかなかメリクリ川柳が思いつかない。

筆ペンも、試し書きすると思ったより筆らしくなかった。一番安いものを買ってしまったからだろうか。

結局「この時間を早く終わらせた方がいい」という気持ちに負けて、余興は無しにしてしまった。

 

これを書いている手元では、薄っぺらい板を持て余している。サンタさんのコースターも。

装飾に付いてきた Meltykiss とかは食べればいいけど、この二つは本当に使い道がない。どうしよう。

 

 

もう早く撤収したいというムードの中、せめてプレゼント交換はちゃんとやって会を締めようということになった。

 

まずは山田のプレゼント。

消しゴム。においが付いてそうで付いていない。

 

二人で合流する前に、自分用に買った消しゴムらしい。

なるべく安く済ませようとする魂胆が透けて見えるけど、こちらのプレゼントのことを考えると文句は言えない。

 

そんなぼくのプレゼントがこれ。

¥5

 

たぶん購買最安値。間違いなくぼくの方が得をした。

でもこれ以外で2500円くらい出費しているから許してほしい。

 

一応音楽に合わせてプレゼントを順番に回すアレをやってみたけど、目をつむっても形で分かってしまうから意味がないことに途中で気が付いた。

アレはババ抜きとかと同じで三人、できれば四人以上でやらなければいけないらしい。

 

 

そんな感じでプレゼント交換も終わったので、すごすごと撤収した。

実はピザポテトとかも買っていたけど、二人とも寝不足だったからかお腹が減ってなくて開けなかったので山田にあげた。

5円のヒモのことは忘れてもらって、これをプレゼントということにしよう。

 

いま思えば、最大の失敗は寝不足だった。

「早く終わらせた方がいい」という気持ちの正体は「早く帰って寝たい」という気持ちだったのかも。

 


生協の商品だけだと無理がある

 

成功か失敗かで言うと、クリスマスパーティーは失敗した。

明らかに帰り道の会話の方が盛り上がっていた。

 

やっぱり、購買の棚には限界がある。やるならドンキホーテとかがいいと思う。

それに、参加者やツリーなんかは”みなし”で済ませようとしないで、ちゃんと根回した方がいい。

 

でも、生協へ別れを告げる会としてはこれでよかったと思う。

楽しすぎると、惜しんでしまうから。そんな理由をいま考えた。

 

実は、買い物を終えて購買を出ようとするとき、チャージ機がその役目を終えていた。

さっきはあんなに元気だったチャージ機だけど、終わりは突然

 

図らずしてぼくたちは最後の利用者になり、「Thank you very much!」というメッセージを受け取る最後の人になっていた。

 

こちらこそ、ありがとう。そしてさよなら、生協。

 

そしてメリークリスマス!!!

また教科書を買う時はよろしく!!!!!

 

買わなかっただけで、真っ当にクリスマスらしい商品もありました

 

RTA走者になったので、速そうな写真を撮ろう─​写真研究会─​

あと数日で名大祭だ。

名大祭といえば、ぼく(二ツ島)はこんな企画の走者になってしまった。

 

6月10日(金)に行われる東海国立大学機構教室移動RTA

大学生の自由研究さんのイベント「名大フリースタイルRTAサミット2022」の企画の一つで、岐大から名大まで身一つで移動するという酔狂なRTAだ。

長い。48km。

1限を岐大で受けた後に名大の5限を受けに行くというコンセプトで、8時45分にスタートして16時半までのゴールを目指している。

8時45分とは一限開始時刻だ。この時間にスタートするのは、授業の最初に顔を出しただけで出席したことにしようと目論む、学生の切実な出席事情を表しているとか。

 

ぼくはこのRTAにただ一人の走者として参加するのだけれども、「走者」とは言ったもののこれは言葉のあやで、ぼくは歩くつもりだ。

 

というのも、ぼくにこの距離を走り切る能力はない。(ないけど走者に応募した。運動習慣すらなかった。必ず完走するという意気込みだけは自信があった。)

しかもこのRTAはなぜか先駆者が居ないので、完走さえすれば自動でWR(ワールドレコード)。世界の頂点に立てる。

それなら安定をとって歩くチャートを採用したのだ。通称膝栗毛チャート。

ちなみに走る方はウルトラマラソンチャートと呼ばれている。

 

ゆっくり完走を目指すとはいえやっぱりRTAだから、走者は速そうな人が良いと思う。

しかし、実際のぼくはそんなに速くはない。

ない袖は振れないので、速そうな写真を撮って期待感だけでも持ってもらおう。

 


速そうは作れる

残像が写っていると速く見えそうだと思ったので、ブレブレの写真を撮る方法を調べてみた。

どうやらiPhoneの「Live Photos(ライブフォト)」機能が使えるらしい。

シャッターの直前直後も撮影できるので、スマホをブンブン振り回しながら撮っていい感じの一瞬を切り抜くという寸法だ。

 

さっそく試してみよう。

ブレブレの謎ポーズ

こんな具合になった。

うーん。速そうというよりは、撮影者の手元がおぼつかなさそうな写真に見える。

 

でも、「これにて失敗!速そうな写真は撮れませんでした!」とはならなかった。

その夜、撮影した友人から送られてきた一枚によって速そうな写真界隈に激震が走ったのだ。

加工に加工を重ねてある

これなら……速そう!RTA走者にふさわしい写真といって差し支えないだろう。

トリミングで写真の構図を整えるのは、かなり大事そうだ。

 


さらなる速さを求めて

 

味を占めて、後日もう少し撮ってみることにした。

まずはここ。

だれも意図が分からないオブジェ

このオブジェが走る軌跡みたいになって、残像っぽく見えるに違いない。

速いといったら残像、とにかく残像だ。ほかにはチーターとかがあるけど、人間にできる最大限は残像なのだ。

 

この状態で

謎ポーズ再び

ブンブン撮影してもらう。

変なポーズでじっとする人と、iPadをすごく振っている人が居る。人通りが少なくてよかったと思う。

 

その上に加工で”速”を盛って、こうなった。

オブジェが機能している……ような気がする

ブレさせる技術というよりは、スマホの画像加工の恩恵が大きすぎるようにも見えるけど、ちゃんと速そうな写真になっている。

 

次はここで撮ってみよう。

名 大 祭

ここで撮れば、名大祭の公式宣材写真みたいになるかもしれない。

 

ブンブンブンブン。

ここは流石に人通りがあるけど、もう気にしないことにした。

公式画像というよりは、記念撮影する観光客みたいになった

なかなかうまくブレない。背景とぼくが近すぎるのがいけないのかもしれない。

とにかくこの写真は没だ。ぼくが白日の下珍妙な姿を晒したのは無駄になってしまった。

 

今度は坂で撮ってみたくなった。うまくブレさせれば、下り坂を滑り降りるような写真が撮れそうだ。

近くまで来ると、あまり坂感がない

坂といえばここだろうと思って、山の上へ続く道まで来てみたけど、思ったほど傾斜っぽさがない。

ゴミみたいな何かが写っている

しかもうまくブレない。溶けかけみたいなぼくがぼやけて写っているだけだ。

被写体が遠くてもこの方法は使えないらしい。

 

この方法、ぼくが画角に入るタイミングと、ブレるタイミングがかみ合う必要があるので少し時間がかかる。

車通りが意外と多いこともあって苦戦したというのに、また没写真になってしまった。

 

このままでは引き返せないと思って、その辺でもう一枚撮ることにした。

すぐそこに壁があった

ここに乗って、手すりをすごい速さで移動している感じを出そう。

 

ブンブンブンブン……

 

はやそう

適当に撮ったこっちの方がよほど上手くいってしまった。

 

そういえば、こんな感じのUMAが居た気がする。

現実離れして見えるくらいに速そうなのかもしれない。

 


速そうと思う、その感性こそ最も尊い

 

突然RTA走者になって宣材写真が必要になった人は、この記事を参考にブンブン撮ってモリモリ加工してみてほしい。

特殊なソフトがなくても、ちゃんとRTA走者っぽい写真が撮れると思う。

 

しかし、これは途中気づいたことだけど、背景もブレブレなせいで「速すぎる人を捉えきれていない」感はそんなにないかもしれない。

でもそれでいい。ぼくの感じている疾走感は確かなはずだから……

 

どうあるかよりも、どう感じるかが大切なのだ。

東海国立大学機構教室移動RTAもそうだ。ぼくは自分が50km弱を歩き切るほど健脚ではないと思っているけど、それはそんなに重要じゃない。(と思い込むことにした。)

 

大切なのは強靭な精神力……各鉄道会社への感謝と”法人愛”を胸に、ぼくは心で歩いて完走を目指します。

謎の水、名大水を買った─​名大研究会─​

名古屋大学の購買には、こんな水が置いてある。

ミネラルウォーター・名大ラベル

 

人呼んで「名大水」(ぼくが勝手に決めた。)

棚で異様な雰囲気を漂わせているので、購買を使ったことがある人なら誰でも知っていると思う。

しかし、存在感の割にはそんなに買っている人を見かけない。理由はすぐ下の棚を見ればわかる。

名大水と違ってぎっしり

 

い・ろ・は・す(555mL, 税込98円)

500mL, 100円の名大水には量でも値段でもまさっている。名大水が売れないのも納得のコストパフォーマンスだ。水なんて安ければいいし。

そうなると名大水、わざわざ買う理由がない……。かわいそうなので、買う理由を何とかして見つけてあげることにした。

 


ほかの水と比べてみよう

 

とりあえず、飲み比べることにした。水なんて安ければいいとは言ったけど、もしかしたら味が無視できないくらい違うかもしれない。

ついでに近くの棚にあったクリスタルガイザーも買った。こちらは700mL, 98円。安いし名前もかっこいい。名大水には名前すらないのに。

レシートの表記は「物販その他」名前がないのだ

 

同伴していた山田とふたりで飲むために紙コップも買った。いや、買ってもらった。

というのも言い出しっぺの山田が、いろはす以外を全部支払ってくれたのだ。水と紙コップを奢ってもらうという後にも先にもない経験をした。

 

いろはす

まずはいろはすを飲むことにした。

この注ぎ方を見た山田が「なんかバラエティっぽい」と言ってきた。たしかに。

 

コップにちょっとずつ注いで、二人で飲む。

 

…………。

 

「まあ、普通の味……。」

 

あたり前だ。間違ってもここで欲をかいて「あれっ?改まって飲んでみると意外なおいしさがあるぞ……?」などと言ってはいけない

こういう場面では、どんな人でも「普通の味」「いつもの味」と言う。日本語の語彙ではこれが唯一で、限界なのだ。ぼくたちも甘んじてこの予定調和を受け入れよう。

 

② 名大水

次は本命、名大水を飲もう。この味によって名大水の命運が決まる。そう考えるとドキドキしてきた。

はやる気持ちを抑えられず、先にラベルをはがしてしまった。

 

…………。

 

「!?」

 

「思ったよりもおいしいぞ……!?」

 

なんというか、味がやわらかいような気がする。

「もしかしていろはすよりもおいしいんじゃないか?」と急いでいろはすを飲んでみると……残念ながら、味は全く同じだった。どうやらぼくの名大水にかける思いが強すぎて、認識が歪んでしまっていたらしい。

山田も全く同じ状況におちいっていた。名大水を飲んだ直後、興奮した様子でいろはすを飲み直し、すぐ冷めた表情になっていた。水の"温度"ではなく"味"で頭が冷えるという瞬間は初めて見た。

 

クリスタルガイザー

名大水の味がいろはすと全く同じだったことで、もうコスパでは完全敗北を喫していることになる。でも一応、クリスタルガイザーも飲んでおこう。

正直、700mLのこれが無難な味で無難に優勝するような気しかしていない。

ペットボトルがでかい。風格のでかさだ。

 

…………。

 

……???

 

もう一回飲んでみる。

 

…………。

 

「もしかして味、違う……?」

 

ぼくには名大水の味を過大評価したという負の実績があるので、弱腰にそう聞いた。すると、山田も味の違いを感じると言う。雑味がしっかりと目立っているのだ。

 

「そんなことってある???」

 

実は当初のぼくは「水なんか飲み比べても、違いなんてあるわけないじゃ~ん」というオチを予見していたので、これはとてつもない想定外だった。

山田に至っては味が違うという感性を疑いだして、水の硬度を調べ始めた。もう少し自分の舌を信用してほしい。

そう思ったものの、ぼくもさっき飲んだいろはすと名大水の味を思い出せなくなって、交互に飲み始めた。しかし繰り返し飲めば飲むほど、今どっちの水を飲んでいるのか分からなくなっていく……。

 

結局、クリスタルガイザーは少しまずくて、それ以外二つの味は変わらないということにした。

 


値段や味では測れない価値

 

今のところ名大水は味で同率一位、値段で最下位だ。おまけにちゃんとした名前を持っていない。

このままでは「名大のネームバリューにものを言わせて不当に高くしてある水」ということになってしまう。

 

何とかして名大水に価値を見出さなければ。困り果てた僕たちは、ついに「ラベル」へ目を向けることにした。

なにせ棚では「ミネラルウォーター・名大ラベル」として並んでいるのだから、名大水のアイデンティティはここに重きが置いてあるに違いない。水として基礎ステータスで劣るなら、このラベルで挽回してほしい……!

 

そんな期待を胸に、ラベルをよく見るためはがそうとするが、とてもはがしづらい。

きれいにはがれない

 

なんとかはがせたが、びりびりになってしまった。いろはすのラベルは簡単に、きれいにはがせるというのに。

 

名大水の隠された価値を探しているはずなのに、新たな欠点が見つかってしまった。一方でいろはすは何もしていないのに評価が上がっていく。優等生とはそういうものだ。

でもぼくは、名大水のことをもはや憎めなくなっている。はがしにくいぞ、かわいいやつめ。必ずいいところを見つけてやるからな。

「不良ばかり気にかけてもらえるせいで優等生がコンプレックスを抱える」という構図はこうやって生まれる。

 

ラベルをよく見てみよう

なにか……なにかいいところは無いのか

 

くしゃくしゃのラベルとにらみ合いながら、考える。

 

うーーーーーん……

 

 

あっ!

 

 

Toyoda Auditorium

 

豊田講堂のところ、「Toyoda」と書いてある。「とよこうどう」と読むのだとばかり思っていたが、本当は「とよこうどう」だったのか。

どうやら豊田自動織機創立者豊田佐吉にちなんでいるかららしい。前者は「とよじどうしょっき」、後者は「とよさきち」と読む。ややこしい。

とにかく名大水のお陰で、いつか読み間違いで恥をかいたかもしれないという未来を防ぐことが出来た。

しかし、これこそが名大水の価値だ!と言い張るのはさすがに無理がある。もう少し何かないか……ぼくたちは再びラベルと向き合った。

 

うーーーーーん……

 

 

あっ!

 

 

しらないたてもの

 

これは……名古屋大学医学部附属病院鶴舞キャンパスにあると言われている、あの!

ぼくはまだ東山キャンパスしか訪れたことがないので、この建物を実際に見たことはない。なるほど、こんな感じの建物なのか。

そういう視点で見てみると、全学教育棟周辺を利用するだけではお目にかかれないような建物が結構のっている。

そうか!名大水のラベルを見れば、足が遠のきがちな建物にも思いを馳せることができるのか。ようやく名大水のそれっぽい付加価値が見つかった!

買わなくてもラベルを見られるなんてことは知っている。大切なのは、買ってまでして見ようとする心意気だ。名大水は愛学心を試しているのだ。

 


悪くはない水、名大水

 

値段は少しだけ高いけど、味は間違いない。そして何より、まだ見ぬ学内の施設を思い、愛学心をはぐくめる。

たまにはそんな名大水を買ってみて、ラベルがはがしづらいことに文句を垂れてみてほしい。

きっと、今日も購買で売れ残っているから。

 

後日とある購買で、名大水は隅に追いやられていた